なぜか短編小説が苦手だ。
なぜか長い小説が好き。
短編小説は、物語の世界に入っていくかいかないかのうちに終わってしまう感じになることが多いし、面白いものだともっと続いてほしいと思ってしまう。
わたしの理解が少し遅いせいで、たくさんの描写を読まないとなかなか物語の世界に入れないというのが理由だと思う。
それでも最近、2人の作家の短編小説を読んだ。
1冊は、カナダの短編の名手と呼ばれるノーベル賞作家、アリス・マンローの「イラクサ」。
もう1冊は、インド系アメリカ人のジュンパ・ラヒリ「停電の夜に」。
いずれも女性作家だ。
物語は面白いが、やはり今ひとつ物語の世界に入れないのは変わらない。また、これも男性であるわたし固有の問題だと思うが、生物としての女性特有の話が語られる部分について、共感できないというかなかなか話についていけず、置いていかれた感じになってしまう。
カナダを舞台にした本を読んだことがなかったので、カナダの生活の細部を見られて少し新鮮だった。
あと、ラヒリの方は、登場人物の名前から性別が思い浮かばず、まずそこから躓く。でも話は面白い。
いずれも普通におすすめできる素晴らしい本なので、ぜひどうぞ。