ちょっと前、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」が新潮文庫で出版されたことが話題になっていた。
「百年の孤独」の文庫化
もちろん「百年の孤独」はハードカバーで持っている。
| これ。少しというかなり汚ない |
この本、超有名で超古典なのに、ずっと文庫化されなかったので、話題になっていた。「文庫化されたら世界が滅びる」と言われていたとかなんとか。
マット・ラフ「魂に秩序を」
さて、書店に文庫化された「百年の孤独」を見に行ったら、同じ新潮文庫からマット・ラフ「魂に秩序を」という分厚い本が並んでいた。
新潮文庫史上、最も厚い本だという。
確かに厚い。1088ページ。
だけど、最近の本は、昔に比べて文字のサイズが大きいし、すかすかだから、結果的に厚くなるのは仕方なく、その結果「新潮文庫史上最厚」になるのだと思う。
多分、同じ新潮文庫で長編小説としては、ドストエフスキーの「白痴」とか「悪霊」の上巻(昔の本)のほうが文字数は多いのではないかとも感じる(調べたわけではないので違うかも)。
さて、厚さはどうでもいいが、中身だ。
帯には、「ミステリー、青春小説、ノワール、冒険小説、サスペンス、成長小説、モダンホラー(以下略)すべてが詰まっています」とある。
多重人格障害のアメリカ人が主人公で、最初はビリー・ミリガンみたいな話かなと思ったけれど、帯の通りいろいろあって物語は面白い。分厚い割に登場人物も少ないので読みやすい。
おすすめかと言われると、まあまあ。なんていうか普通に面白いという感じ。
個人的の嗜好になるが、去年か一昨年に読んだブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」には負ける。
「巨匠とマルガリータ」についてはまたいつか書く。
「族長の秋」も文庫になるようだ
さて、これを書きながら調べていたらガルシア・マルケスの「族長の秋」も来年文庫化されるそうだ。
「百年の孤独」はこの手の文庫本にしてはものすごく売れているそうだが、どれだけの人が最後まで読めたのか気になる。
「族長の秋」は読んでいないし、持っていない。
わたしが学生だった1990年代前半に文庫化されていたのは、「予告された殺人の記録」(新潮文庫)、「エレンディラ」(ちくま文庫)、それと文庫でも小説でもないが、「戒厳令下チリ潜入」(岩波新書)。この辺はみんな読んでいたと思う。