マット・ラフ「魂に秩序を」 新潮文庫史上最も厚い本

2024/11/11

 


ちょっと前、ガルシア・マルケスの「百年の孤独」が新潮文庫で出版されたことが話題になっていた。

「百年の孤独」の文庫化

もちろん「百年の孤独」はハードカバーで持っている。

これ。少しというかなり汚ない

この本、超有名で超古典なのに、ずっと文庫化されなかったので、話題になっていた。「文庫化されたら世界が滅びる」と言われていたとかなんとか。

マット・ラフ「魂に秩序を」

さて、書店に文庫化された「百年の孤独」を見に行ったら、同じ新潮文庫からマット・ラフ「魂に秩序を」という分厚い本が並んでいた。

新潮文庫史上、最も厚い本だという。

確かに厚い。1088ページ。

だけど、最近の本は、昔に比べて文字のサイズが大きいし、すかすかだから、結果的に厚くなるのは仕方なく、その結果「新潮文庫史上最厚」になるのだと思う。

多分、同じ新潮文庫で長編小説としては、ドストエフスキーの「白痴」とか「悪霊」の上巻(昔の本)のほうが文字数は多いのではないかとも感じる(調べたわけではないので違うかも)。

さて、厚さはどうでもいいが、中身だ。

帯には、「ミステリー、青春小説、ノワール、冒険小説、サスペンス、成長小説、モダンホラー(以下略)すべてが詰まっています」とある。

多重人格障害のアメリカ人が主人公で、最初はビリー・ミリガンみたいな話かなと思ったけれど、帯の通りいろいろあって物語は面白い。分厚い割に登場人物も少ないので読みやすい。

おすすめかと言われると、まあまあ。なんていうか普通に面白いという感じ。

個人的の嗜好になるが、去年か一昨年に読んだブルガーコフの「巨匠とマルガリータ」には負ける。

巨匠とマルガリータ」についてはまたいつか書く。

「族長の秋」も文庫になるようだ

さて、これを書きながら調べていたらガルシア・マルケスの「族長の秋」も来年文庫化されるそうだ。

「百年の孤独」はこの手の文庫本にしてはものすごく売れているそうだが、どれだけの人が最後まで読めたのか気になる。

「族長の秋」は読んでいないし、持っていない。

わたしが学生だった1990年代前半に文庫化されていたのは、「予告された殺人の記録」(新潮文庫)「エレンディラ」(ちくま文庫)、それと文庫でも小説でもないが、「戒厳令下チリ潜入」(岩波新書)。この辺はみんな読んでいたと思う。

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